「女性専用車両」に賛成する人は、なぜか、「痴漢に遭う確率」と「服装」を関係づけられることを(極端に)嫌います。「反対派」が、「露出が多いから、痴漢に遭う」などと言うと、顔を真っ赤にして(?)怒ります。たぶん、女性(側)に少しでも「非」がある、と言われるのが嫌だからでしょう。では、「賛成派」の言うように、「痴漢に遭う確率と服装には、全く関係がない」のでしょうか?
ある「賛成派」は、「(露出の多い服装よりも)おとなしそうな女性が痴漢に狙われる」という統計を持ち出してきました。たしかに、「おとなしそうな女性は、痴漢されても声を出さない。だから、捕まりにくい。だから(痴漢に)狙われる」ということはあるかも知れません。しかし、これは「露出が多いと痴漢に狙われやすい」ということを否定するものではない、何の関係もありません。実際、その統計でも、「5%」の痴漢が「露出の多い服装に刺激された」と答えているそうです。
まあ、この「5%」は決して高い数値ではありませんが、「痴漢に遭う確率と服装には、全く関係がない」という「賛成派」の主張は、いみじくも「賛成派」の示したこの統計で、すでに破綻しています。「顔を真っ赤にして(?)怒る」のは、明らかに、筋違いです。しかも、痴漢は、第一に「捕まらない」ことを考えるでしょうから、まず「おとなしそうな女性だから」という選択をしても、2番目、3番目の選択で、「露出の多い服装に刺激された」と答える可能性があります。まあ、この統計では「複数以上の回答も可」としているようですが、1番目を回答したら、2番目、3番目を回答しない場合も結構あるでしょう。であれば、「露出の多い服装に刺激された」と思っている痴漢は、「5%」よりももっと多い可能性があります。あるいは、自分では意識していなくても、「露出の多い服装に刺激された」という痴漢がいるかも知れません。
別の資料で、これ(=無意識に刺激を受けている)を示唆する統計があります。以前、同じメビウスリングで、どなたかが示された統計なのですが、アメリカの刑務所で、そこに収容されている性犯罪者300人に対して、「(以下の)何に興奮するか?」を調べたのです。「脳波検査」ですので、無意識下の刺激反応です。
92%が肌色の布
87%が肌色の紙
80%が白い布
61%が白い紙
42%が赤い布
40%が赤い紙
7%が灰色の布
7%が灰色の紙
に興奮した、とのことです。
これは、つまり、「肌色」と「白」に興奮する、「紙(=ゴワゴワしたもの)」よりも「布(=やわらかいもの)」に興奮する、というわけです。これを総合すると、「肌の露出の多い、風になびくような、白い服」に性犯罪者(たぶん、一般の男性も同じ)は興奮する、という解釈も成り立つでしょう。
ちなみに、私・ドクター差別は、「痴漢に遭うかどうか」ではなく、「痴漢行為を防ぐ」という観点から、「物理的に痴漢行為ができない服装(=たとえば、極端な話だが、「鎧」を着れば、ほとんどの「(身体を触るなどの)痴漢行為」は防げる)」、「物理的に痴漢行為がしにくい服装」をすることを奨励しています。もちろん、「強制」ではありませんが、痴漢犯罪に遭いたくなければ、すなわち、痴漢被害に遭いたくない度合いが強ければ強いほど、「物理的に痴漢行為がしにくい服装」を着るというのは「当たり前」でしょう。
ところで、「痴漢に遭うかどうかは、性別、年齢、容姿、服装、立ち居振る舞い、法律又は条例、防犯対策等が関係する」ということに異論のある方はおられるのでしょうか?
①性別
女性は男性よりも痴漢に遭う確率は高いのか?
②年齢
10代、20代の女性は、他の世代の女性よりも痴漢に遭う確率は高いのか?
③容姿
「美人」、「かわいい」、「おとなしそう」などの要素は、痴漢に遭う確率と関係しているのか?
④服装
「露出の程度」と痴漢に遭う確率の間には関係性があるのか?
「物理的に痴漢行為ができにくい服」と「物理的に痴漢行為ができやすい服」では、痴漢に遭う確率に違い、あるいは、痴漢されにくい確率に違いはあるのか?
⑤立ち居振る舞い
「周囲に注意を払っている人」と「周囲に注意を払っていない人」とでは、痴漢に遭う確率に違いはあるのか?
⑥法律又は条例
「痴漢行為を(厳しく)罰する法律又は条例がある」のと「痴漢行為を(厳しく)罰する法律又は条例がない」のでは、痴漢犯罪が起こる確率に違いがあるのか?
⑦防犯対策
たとえば、「監視カメラがある」のと「監視カメラがない」のでは、痴漢犯罪が起こる確率に違いがあるのか?
ちなみに、私は、①~⑦いずれも、「関係性がある」と思いますが、皆さんは、いかがでしょうか?