政府は、「近い将来、労働力が不足する」という理由から、「女性を積極的に採用・登用しよう」としているが、これにはどうも「裏」がありそうである。と言うのも、「労働力の不足」というのは、「女性優遇策」を推進するための口実に思えて仕方がない(からである)。これは、ただの「勘」ではなく、以下の(3つの)理由がある。
①本当に「労働力は不足」するのか?
「2025年には労働力が○○○万人不足する」だの、「2032年には労働力が○○○万人不足する」だの、「2050年には労働力が○○○万人不足する」だの、いろいろな統計が出ているが、すべて「現在の労働人口」との比較であり、「それぞれの時期に、それだけの労働力が本当に必要かどうか」は、全く未知数である。たとえば、GDPが現在と同じように「毎年2%くらい」の成長ならば、将来的に労働力は不足するが、もし「1%程度」にとどまれば、逆に、労働力は余剰となる。
②本当に「労働力の不足」は解消されるのか?
政府は「女性を積極的に採用・登用しよう」としているが、これで「労働力の不足」が解消されるわけがない。と言うのも、政府が推進する「クオータ制」は、「(優秀な)男性の代わりに、そうでもない女性を採用・登用する」というものであり、(就業者の)総数には変化がないからである。全人口に対する就業者数の比率を上昇させない限り、「労働力の不足」は解消されない。
③「登用」は、何の関係もない。
「労働力の不足」は、たしかに「採用」とは関係があるが、「登用」とは何の関係もない。ところが、政府の進めている「クオータ制」は、「女性の採用」だけでなく、「女性の登用」にも大きなウエイトを置いている。これは、「労働力の不足」を口実にした、ドサクサ紛れの「女性優遇策」に他ならない。
と言うか、「クオータ制」を推進すればするほど、「少子化」が加速し、労働力が不足する可能性がある。と言うのも、「クオータ制」で、女性がドンドン採用・登用されれば、「結婚しなくても生きていける」という女性を増やすことになる、一方、結婚して専業主婦になりたい女性は、「クオータ制」により、安定した公務員になれる男性、管理職や役員になれる男性が減少するので、これまた、結婚できにくくなる(からである)。結果、どちらにしても、「非婚化」が進み、「少子化」、「労働力の不足」が加速する、というわけである。
なお、政府の「配偶者控除の見直し」による「女性の活用」については、以下のような批判もある。
女性の活用を促すための「配偶者控除の見直し」という欺瞞(小笠原誠治 2014/3/20)
>配偶者控除の見直しによって、女性の社会進出が格段に進むのか? そんなバナナ! 考えられるのは、今まで1年間で100万円程度パートで稼いでいた主婦がもう少しパートに精を出すようになるだけの話なのです。
結局のところ、政府の推進する「クオータ制」では、「女性優遇」という結果以外、何も生まれない。まあ、フェミ団体やフェミ官僚はほくそ笑むだろうが、それだけではなく、いわゆる「反日勢力」も大喜びだろう。何しろ、(能力のある)男性が蔑ろにされ、どうでもいい女性が「指導的地位」に就くのだから、日本(の指揮命令系統)はグチャグチャ、弱体化は必至なのだから。